本来の治療
血圧が180以上でこれは高すぎるので問題であることは言うまでもありません。しかし、現在の指導血圧「130ミリ」というのは年配者にとっては逆に健康を害するほどの低い血圧なのです。つまり、血圧は「低い方が良い」のではなく、「適度な血圧が望ましい」となります。
なぜ「血圧」というのが存在するのかというと、体全体に血を流すためであり、そのために「ポンプの圧力」が必要だからです。体の隅々まで、毛細管までにも血を流すのですから、相応の圧力がなければ血液は流れません。人間はまだ低い方で、キリンなどの大型動物では更に高い血圧でないと頭まで血液が届きません。
人間も、当然ながら血圧が低くなると問題が起きます。圧力が高すぎるのも血液を運ぶ血管が破れてしまいますから、「適当な圧力」というのが必要になります。適当な圧力というのは、「血圧が高いとかかる病気」+「血圧が低いとかかる病気」の合計を減らすことであり、どちらか片方だけを減らしてもダメなのです。
血圧があまりに高くなると出血性の脳出血などの病気になりますし、血圧が極端に低くなると虚血性の脳梗塞などの病気になります。脳出血も脳梗塞も病気であることに変わりはありませんから、適正な血圧というものがどうしても必要です。
まずに知っておくべきことは、人間にはもともと血圧を正常に保つ機能があり、その機能がダメになると「病気」であるということです。人は病気になると薬で血圧を上げたり、下げたりする必要が出てきますが、正常であれば、体が自分で「この血圧が適切だ」と判断している場合は薬で調整する必要などはありません。